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2005年 02月 01日
『frank black francis』 frank black francis
最近、THE PIXIESの周辺がなんだか騒がしい。去年の再結成ニュースには驚いたけど、「一時的なものではない」とか言いながら、結局2004年限定活動なんだろうな、と、思っていた。でも、Fuji Rockへの出演を経て、年末には北米ツアーなんかも敢行して、これは何だかマジな活動再開なのかもと興奮しているファンは多いはず。 それに、この北米ツアーのLIVEを17枚も一斉に出したり(日本ではTOWER RECORDS限定発売のCR-R)、マジでnew albumのリリースなんかもあったりして、21世紀の新型PIXIESへの期待は高まるばかりだよね。でも、僕はひねくれ者なので、敢えてこの内省的とも言える、Black Francis自身のソロアルバムをセレクトしてみた。 このCDは2枚組で、1枚目がデビュー前のデモトラック、2枚目がPIXIES時代の名曲をslow-core風(音響系かも)にre-arange右re-recordingした内容。これが本当にいい。世間がFrank Blackとしてのソロ活動には目もくれず、10年以上も前にリリースされた自分の分身に熱狂するということをじっと見つめてるような、とても客観的で深い精神性を感じさせる仕上がり。PIXIESとはBlack Francisそのものであることが再確認できる。 穿った見方かもしれないけど、この作品はPIXIESの再結成を踏み切るための、避けては通れない踏み絵だったのかもしれない。こういうcoolな振り返りを経ないと次のステップへは移行できないというか、一人歩きするPIXIESの楽曲(全て彼自身の作)をもう一度確認、再構築できなければ、新しい曲は書けないというか、そんなケジメのような気がする。 もちろん想像なので、実は単に商売ベースの可能性もあるけど、PIXIESが解散した後、乱発されるbest盤やレアトラック集を追いかけるよりも、Frank Blackとして再出発した男の一挙手一投足をトレースし続けた僕としてはそう思えてならない。二人の自分を重ね合わせたタイトルにもその苦悩が現れているような、そんな気もする。 と、暗くなったけど、この天才的melody-makerが第2期PIXIESでどんなスゴイ曲を聞聴かせてくれるのかはとても楽しみ。うーん、ambivalent。 #
by dharmagreg
| 2005-02-01 01:24
| 米
2005年 01月 29日
『JOHN PEEL SESSIONS/made availlable』 THIS HEAT
Crimsonと言えばメロトロンでやっぱ「starless(『Red』)」かな、なんて思ったけど、今週はCharles Hayward(CH)で始まったし、やっぱトリはこれしかないのTHIS HEAT。そんで、このJOHN PEEL SESSIONS(JPS)盤『made availlable』をセレクト。 このCD、かなり久しぶりなので、超お気に入りのHi-Fi Earphone「E3c」では初めて聴いた。それで、改めてその音の凄さを実感。このJPSって奴は、かなりいい響きのBBCのスタジオで、凄い耳と超一級センスを持つproducerとのengineerが録音した一発録り。つまりstudio-live。だから結構演者の実力通りの音が収録されてる場合が多いんだけど、さすがはこの熱。テクに裏付けされた緊張感溢れるinprovisationが展開されている。満足なライブ音源を殆ど残してないのでこのmastering tapeの完成度はかなり貴重。 もちろん、この3人の天才達の紡ぎ出す楽器音(CHのdrumsやCharles Bullen その中でも、テープの音の凝りようにはこれまた改めて敬服。CHは超絶テクdrummerとして世界的な名声を獲得した人なんだけど、変質者かなと思うくらいのnoise音源テープも作ってる。天才とナントカは紙一重。繊細で偏執的なこだわりはbackingには贅沢すぎる傑作だと思う。それに、もう一人GWという電子系の天才も妙な音出しまくりで、まさに元祖音響系アンサンブル。しかもリアルタイム&マニュアル操作。アンビリーバボー。 と、興奮して長くなったけど、これってほぼbestじゃんと思うような名曲ぞろいだし、繰り返しになるけど音が超イイので、ぜひ聴いて欲しい超オススメ大傑作。にもかかわらず、またまた国内では入手困難。状況ヒドすぎて言葉も出ない。Rocus Solusさん頑張って再発を。 それにしても、M1「HORIZONTAL HOLD」やM5「MAKESHIFT」は、何度聴いても身震いもの。生の迫力。ライブだから当たり前だけど、マジで熱病になっちゃいそう。 #
by dharmagreg
| 2005-01-29 02:14
| 英
2005年 01月 28日
『IN THE COURT OF CRIMSON KING』 KING CRIMSON
昨日仕事でマジで相当にヤバイことが起こり、ちょっと頭がおかしくなりそうだったのでブログを休んでしまった。申し訳ない。でも、そんなheavyな状況だからこそ音楽が助けになってくれるってこともある。今朝はそういう意味でとても大事なセレクトだったので、本当に久しぶりのCrimson kingにしてみた。狂気には狂気ってことで。 ということなんだけど、歴史的大遺産ともいえる作品で、いまさらのレビューも野暮だし、実は昨晩はほとんど寝てないということもあるので、今日はこのアルバムの中にとどまらず、20世紀(から現在!)の最重要楽曲のひとつ「21ST CENTURY SCHIZOID MAN(21世紀の精神異常者)」の詞の紹介(Words by Peter Sinfield)で許してもらうことにする。「Epitapf」と迷ったけど、今朝の気分はこっち。では、また。 Cat's foot iron claw Neuro-surgeons scream for more At paranoia's poison door. Twenty first century schizoid man. Blood rack barbed wire Polititians' funeral pyre Innocents raped with napalm fire Twenty first century schizoid man. Death seed blind man's greed Poets' starving children bleed Nothing he's got he really needs Twenty first century schizoid man. 猫の足 鉄の爪 偏執狂患者の毒が沁みこんだドアの前で 神経外科医の絶叫が響き渡る 21世紀の精神分裂者 血祭り 有刺鉄線 政治家たちが火刑の炎を焚き ナパームの業火が無垢な心を焼き払う 21世紀の精神分裂者 死の種子 盲人の強欲 預言者の飢えた子孫たちは血にまみれ 心からの願いが適うことはない 21世紀の精神分裂者 (拙訳、お許しを) #
by dharmagreg
| 2005-01-28 01:21
| 英
2005年 01月 26日
『The Flying Lizards』 The Flying Lizards
昨日紹介したCharles HaywardもEnglandのアートスクール出身なんだけど、British Progressiveに始まる、この周辺の人材、人脈そして伝統には目を見張る物がある。その中でも教授級なのがやっぱBrian EnoとこのDavid Cunnigham(DC)になるかな。さかのぼれば、LennonやSyd Bullet、Jimmy Pageなんかもここ日本では美大、芸大と呼ばれる学校出身だったことを考えると面白いよね。 ということで、今朝は若かりしDCのセコくて壮大な実験POPプロジェクト、The Flyng Lizaradsの驚異的な1stアルバムをセレクト。今聴いても全く古びていない、音響派の先祖、techno、dub、abstract、avant-gardeなんかのその後の発展には欠かせないmasterpiece。 と、期待を抱かせつつも、音はかなりチープ。でもアイデアは超満載。当時かなりの貧乏だったDCはマルチトラッカーと有り合わせの楽器、それに段ボールとかを用いて、仲間のThe Pop Groupのメンバーの協力でこのアルバムを作ったんだよね。sumplerが無い時代なのでテープに録音したってこと。本当に感慨深い話。という意味でやっぱ先鋭的で革命的。自分のoriginは音を出して、録音して、聴かせる楽しみ。音を楽しむということなんだな。 ちなみにMichael Nymanやthis heatはDCが見出し育てたartist。Fripに並ぶprofessor。ちなみにFripはmusicschool=音大出身。ね、面白いでしょ?イギリスは。 でも嘆かわしきは、このCDも入手困難ってこと。芸術後進国ならではの悲しい現状。 #
by dharmagreg
| 2005-01-26 01:01
| 英
2005年 01月 25日
『ALL'S WELL』CAMBERWELL NOW
今朝も寒い。寒い月曜日。ベッドから出るのが辛かった。 さて、こんな厳しい朝のお供はこのCharles Hayward(CH)がthis heat解散後に結成したこの伝説的ユニットのCDをセレクト。1982年から87年と活動期間はわりと長いんだけど、かなり寡作で、しかもオリジナルのアナログ盤はかなりレアだったので、この編集盤はかなりお得。CHが最もrockに接近していた頃の、聞き所満載のまさに「ALL IS WELL」な傑作だ。 ジャンル分けは難しいけど、これはやっぱプログレなんだろうな。The Quiet Sun出身のCHらしい、CANTERBURYっぽい素朴さと、this heatを経て完成されつつあった前衛/実験音響が見事に融合している。以前より好んで用いられてきたピアニカやもちろんの超絶8beat、抽象的な詞やそのボーカルには誰にも真似できないCH独特の感性が感じられるわけだけど、その他のメンバーのテクも素晴らしく、背筋にゾクっと来るようなアンサンブルの妙を聴かせてくれる。テープ操作がテクノっぽいところもいい。 ちなみに、CHに加えてbassのTrefor Goronwy(解散直前のthis heatのメンバー)にtape operationやfield recordingsのStephen Rickardの三人組で、これはやっぱメンバーチェンジをしたthis heatとという解釈が正しいんだろう。音の方は、もちろんCHが中心ではあるけど、三人でかなり好き放題やってるところが面白い。時はBritish New Wave真っ盛りだった訳で、やっぱそんなPOPな匂いも漂ってるしね。 でも、観念的だったり、強い意志を感じたり、政治的だったりと、CH魂は健在で、その後のソロワークにも決定的な影響を与えた活動だったことは間違いなし。 ちなみにこのCD、ずっと入手困難。国内盤はLocus Solusが再発してたんだけど、当のレーベル直営店でも長い間在庫切れ。ここ10年程で、this heat~CH関連の音源は本当に流通量が減った。嘆かわしい現実だ。マメにUNIONやTOWERを覗いていれば必ず出会えるはずだけど。 #
by dharmagreg
| 2005-01-25 01:52
| 英
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